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令和2年度入学式 日本大学学長告示

2020.04.06 Mon

令和2年度入学式が本日令和2年4月6日に挙行されました。
入学式の学長告示を掲載いたします。

 

令和2年度日本大学櫻丘高等学校入学式 告示

 新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。本日から、晴れて日本大学の付属校である本校の生徒になられたことを心から歓迎いたします。日本大学は昨年、創立百三十周年を迎えた歴史と伝統を誇る日本最大規模の総合大学です。これから本校で過ごす学園生活は、皆さんの成長にとても重要な基礎作りを行う貴重な時間です。学業はもちろんのこと、課外活動にも積極的に取り組み、悔いのない充実した学園生活を過ごしてください。
 保護者の皆様におかれましては、これまでお子様を立派にお育てになり、晴れがましいこの日を迎えられたことに心からお喜び申し上げます。これから始まる学園生活を通してお子様の成長する姿を温かく見守っていただくよう、お願いいたします。
 さて、新入生の皆さんが本校での学園生活を送るに当たり、日本大学の教育理念である「自主創造」という言葉を紹介したいと思います。これは、「自ら考え、自ら学び、自ら新しい道をひらいていく」という、学びの姿勢を表した言葉であり、覚えておいてほしいのでその由来を話します。
日本大学は、一八八九年に創立された日本法律学校を前身とします。この創立に際して、中心的な役割を果たしたのが、初代司法大臣を務めた山田顕義伯爵です。日本大学では山田伯爵を学祖と呼んで、顕彰しています。
 山田学祖は現在の山口県萩市に生まれ、十四歳の時に吉田松陰が主宰する松下村塾で学びました。明治維新後、岩倉具視が率いる欧米使節団の一員として、欧米諸国を訪問し、西欧諸国の国情を調査する中で、その先進技術や多様な文化に触れました。その体験から、日本の近代国家としての礎を築くためには、その骨格となる法律の整備と教育を充実させることが必要であると考えました。
当時の法学の主流は、欧米諸国の法律を学ぶ法律学校がほとんどでしたが、学祖は、日本の近代化のためには日本の文化・伝統・慣習を踏まえた法学を教育するべきと考え、十一人の創立者とともに日本法律学校を設立しました。このように、学祖は当時の大きな時代の流れに安易に流されることなく、日本の近代化には何が必要で、何をすべきなのか考え、手探りの学びから自身で答えを導き出していきました。このような課題への取り組み、生き方、考え方が「自主創造」の実践そのものでした。
皆さんがこれから生きていく時代は、かつてないほど混沌としています。グローバリズムの進展、その反動ともいえる自国第一主義の広がり、また、新技術の急速な発達や大気汚染による地球温暖化などこれまでの常識では解決困難な問題が山積し、大きな転換点にあると言われています。
 こうした中で、パソコンやスマートフォンから様々な情報を得られたとしても、どの情報が正しいのか、どの情報が問題解決に役立つのかを自分の頭で考え選択できなければ、意味がありません。現在のような困難な時代を生き抜くためにも、皆さんも山田学祖が実践した課題への取り組む姿勢を学び、高い志をもって、何事にも積極的に挑むと同時に、しっかりと基礎となることを学ぶことに励んでください。
皆さんにもう一つお話ししたいことがあります。それは困難な壁にぶつかっても最後まで諦めずチャレンジしてほしいということです。これから始まる学園生活の中で様々な壁にぶつかると思います。その壁は、時には容易に乗り越えられないこともあるでしょう。しかし、挑戦をしないで簡単に諦めてしまえば、人としての成長を望むことはできません。大きな人間としての成長をしていくためには、日々の努力を疎かにせず、また自身の殻に閉じ籠ることなく、様々なことに興味を持って、広い視点で物事を見ることを忘れないでください。例え、壁を乗り越えることができなかったとしても、挑戦したことは無駄にならないはずです。また、あらゆることに意欲的に取り組む仲間を多く作ってください。これからの人生に大きな力になるでしょう。
 結びになりますが、皆さんが本校において有意義で充実した学園生活を送られることを心より祈念して、本日の告辞といたします。

                                              令和二年四月六日

                                                日本大学学長
                                           日本大学短期大学部学長
                                                大塚 𠮷兵衛